2025.12.08 / Topics
地域の森から建築へ ― 地域材突板がつなぐ新しいものづくり
地域材とは?森と建築をつなぐ素材の考え方
「地域材」とは、その土地で育った木材のことです。
輸入材が主流の建築業界において、国内の森林資源を見直す動きが全国で広がっています。
公共の案件だけではなく民間の案件においても、地域材や県産材を指定されていることも多くなってきていると感じています。
地域材を使うことは、単なる“地元産の木を使う”ということではありません。
森林の持続可能な管理、地域経済の循環、そして文化的な風景の継承――
それらを含めた「森と建築をつなぐデザインの思想」でもあります。
建築素材を通じて、森と人の関係を再構築する。
その最前線にあるのが「次世代の突板SKINWOOD®」です。
次世代の突板SKINWOOD®として活かす地域材の特徴
突板(つきいた)は、木材を0.2〜0.6mmほどにスライスし、合板やパネルに貼り付けることで、木の美しい表情を活かし、無垢材のデメリットをカバーできる建材です。
その中でも、SKINWOOD®は未活用の木材からでも突板が生産できる製品です。
地域材を突板として使うメリットは次の3点にあります。
①限りある資源の有効活用
希少な地域材でも、SKINWOOD®であれば広い面積に展開できます。
②素材の表情を均一に表現
SKINWOOD®ならではの木目選別により、均一性が向上します。
③不燃大臣認定品
白華現象が起きることなく、本物の木材を不燃が必要とされる場所で活用できます。
つまり、SKINWOOD®は「木の美しさ」と「効率的な素材利用」を両立する解決策なのです。
地元で生まれた突板の事例紹介
佐賀県庁知事室来賓室での施工事例です。

佐賀県内各地の山から集めた桧材を使用しています。同じ県内でも山が違えば木目や風合いは異なってきますが、SKINWOOD®の技術により均一性を保っています。
壁面・造作・家具などに展開できるSKINWOOD®は、地域の木の香りや風合いをそのまま室内に取り込むことができます。
また、FSC認証材を用いた地域材突板の事例も増えています。
JINS延岡店では、宮崎県諸塚村のFSC認証材を採用していただきました。

地産地消の建材が生む価値
地産地消の建材を使うことは、経済的な側面だけでなく、地域コミュニティの活性化や文化継承の観点からも大きな価値があります。
・地域の林業に新しい需要が生まれる
・地域の素材に対する理解と関心が高まる
・建築を通じて地域の特色を残すことができる
こうした価値を生む地域材活用を、実際のプロジェクトで実現するためには、品質が安定した素材として提供できる仕組みが欠かせません。
中村製材所は地域材をSKINWOOD®に加工し、使いやすい形に整えることで、建築士やデザイナーの“地域材を使いたい”という意図を確実に支える体制を整えています。
まとめ
地域材を使用したSKINWOOD®は、単なる「素材」ではなく、森と人をつなぐ架け橋のような存在です。
これからの建築素材は「木がどこで育ち、どんな想いがこめられて作られたか」というストーリーが価値になる時代です。
地域材を使用したSKINWOOD®は、その象徴的な答えのひとつといえるでしょう。
SKINWOOD®について詳しく知りたい方はこちらをどうぞ⇓