2025.12.15 / Topics
木を選ぶことは森を選ぶこと
森林保全と建築素材の関係
建築に使われる木材は、単なる「素材」ではなく、森とのつながりを持つ資源です。
しかし、世界的には、家畜のためや大規模農業を行うために森林破壊や違法伐採が進む地域も少なくありません。
そこで生まれたのが「FSC®認証(Forest Stewardship Council®)」という国際的な森林認証制度です。

これは、生態系や地域文化を守りながら森林を管理していることを証明する仕組みです。
FSC認証材を使うという行為は、単にエコな選択ではなく、「建築を通じて森を守る」ことにもつながります。
建材選定における“素材の背景”を意識することは、これからの建築に求められる大切な視点のひとつです。
FSC認証材を選ぶ際のポイント
FSC認証材を選定する際には、次の3つのポイントが重要になってきます。
① 認証の種類を確認する
FSCには「FSC 100%」「FSC Mix」「FSC Recycled」の3つの区分があります。

建築用途やプロジェクトの理念に合わせて、どの認証種別を採用するかを明確にすることが大切です。
② 産地・製造工程の透明性を確認
どのような原木を使用し、どの地域の森林から供給されているかを把握することで、“ストーリー性のある素材選び”が可能になります。
③ 納期の確認
FSC認証材は、受注生産な場合が通常製品より多いため、納期が必要なケースがよくみられます。
無垢材に関しては、少量の場合は対応できるケースが多いです。
実際の採用事例と効果
最近では、FSC認証材を使った商業施設やオフィスが増えています。
<事例1>
福岡県の商業施設では、FSC認証材を含む九州各地の認証木材を一部の内装に採用されました。
<事例2>
東京のオフィスにて、FSC認証材を使用した什器が採用し、企業の環境に対する姿勢を外部に発信されています。
素材選びで変わる建築の印象
同じ「木の仕上げ」でも、素材の選定によって空間の印象は大きく変わります。
無垢材が持つ唯一無二の木目や木らしさに対し、SKINWOOD®は木目が均一な美しさを表現できる製品です。

先ほどのFSC認証材を選ぶ際のポイントとして挙げた3つの観点でSKINWOOD®を紹介すると
・FSC100%
・森林と業務提携を行うなど関係性を密に保ちストーリー性のある素材の提供が可能
・SKINWOOD®は、比較的に安定したロットと納期を実現
使用する素材を通して、建築が何を伝えるかを考えた時にSKINWOOD®は使いやすい素材です。
まとめ
木を選ぶことは、森を選ぶこと。
そして、森を選ぶことは、建築の未来を選ぶことです。
FSC認証SKINWOOD®は、環境保全と美しい意匠を両立させる新しい素材の形。
素材の選択が、次の世代の建築文化を支えていきます。
建築家やデザイナーが素材選定で意識すべきことは、「この木はどこから来て、どんな物語を持っているのか」
その問いを持つことが、持続可能なデザインの第一歩です。
FSC®C022549