2025.12.06 / Topics
建築空間に“地域”を表現する突板活用
現代建築が向き合う“地域らしさ”というテーマ
近年、公共建築や民間の建築などを中心に、木材を積極的に内装へ取り入れる動きが全国的に広がっています。
木質化が進んでいる背景には
木の温かさや心理的効果の再評価に加えて、県産材利用を条件とした補助金制度などがあります。
そのため、地域の建築であれば、地元材が採用されるケースも確実に増えています。
しかしその一方で
建築空間の中で“地域らしさ”をどのように表現するかは、依然として大きなテーマです。
突板が再生する地域性のデザイン手法
地域材を大規模空間で使おうとした場合
・板目に限定されがち
・ひとつひとつ木目が違うため、イメージとの違いが生じやすい
・再現性がない
・必要な量の確保が難しい
・反り・伸縮といった寸法の不安定さ
などの課題に直面します。
しかし、地域材を 突板(練り付け)に加工する ことで、これらは大きく改善されます。
突板化すると
・少量の材料で大規模空間をカバーできる
・合板・LVL・ダイライトなどに練り付けるため寸法の不安定さを克服
・曲面・造作家具など、デザインの自由度が高まる
さらに次世代の突板SKINWOOD®にすると突板の利点を残しつつ
・小径木や未活用材の使用することで資源を無駄なく活用
・柾目の突板を安定的に供給できる
・着色した状態でも不燃大臣認定品として提供できる
「地域材をデザイン素材として扱いやすくする」ための最適解がSKINWOOD®です。
事例:地域材SKINWOOD®で仕上げた公共施設
● 佐賀県産桧材SKINWOOD®を用いた内装

実際に、公共施設や店舗など 大規模な面積で統一感が求められる内装 でも、地域材の活用を検討されるケースが増えています。
その際、SKINWOOD®がご提供できる価値は
・壁面全体を地域材で統一でき、無垢材で色や木目を揃えたい
・大量に製作でき、ロットが安定している
・内装の色味を保ちつつ、地域材を使用できる
・公共・民間問わず「県産材使用」の条件をクリアしつつ、デザイン性を高められる
・本物の木材を使って、白華現象がない不燃認定品
SKINWOOD®は地域材としての個性を保ちつつ、安定して供給することができます。
地域文化と空間表現の融合
地域材を使う建築の価値は、木目の“個性”にも宿りますが
・森を管理する地域の林業
・木を加工する地元の職人
・地域と建築をつなぐ素材の来歴
といった “地域の物語”を空間に取り込むことにあります。
そしてそのストーリーは、目で感じることはできませんが、発信することで企業やブランドの価値観を効果的に伝えることに役立ちます。
また、Crystal SKINWOOD®は伝えることができる製品です。
こちらは、九州の織物と漁網をモチーフにした紋様です。

さりげなく地域文化を伝えることをCrystal SKINWOOD®がかなえます。
まとめ
以前に比べて、木材利用は多様化し様々な場所で行われています。
それでも、「どこの木か」「どんな背景を持つ木か」まで伝えるデザインは、まだ大きな可能性を秘めています。
地域材をSKINWOOD®として建築に取り入れることは
・地域の木を無理なく使える形に変える
・その地域らしい風合いを残しながら均一性も保つ
・地域の未来につながる素材循環にも貢献する
そんな価値あるアプローチです。
ちなみに、一番上の写真は鹿児島県の屋久島地杉を使ったSKINWOOD®です。
屋久島地杉は屋久杉の遺伝子を受け継ぐ杉なので、力強い赤身が特徴的です。
SKINWOOD®にすることで、木目や色味の均一性と独自性のバランスがとれています。
SKINWOOD®のことを詳しく知りたいからはこちらをどうぞ⇓