2026.01.30 / Topics
“地域材を使う建築”が未来を変える
建築における素材選定は、これまで「性能」「コスト」「供給安定性」が最優先されてきました。
それは現在でも変わらず重要な判断軸です。
一方で近年、「その素材がどこから来て、どのような循環の中にあるのか」という視点が、建築の価値を補完する要素として意識されるようになってきました。
地域材を使う建築は、そうした変化を象徴する取り組みのひとつです。
本記事では、地域材の現状と課題を整理しながら、次世代の突板SKINWOOD®という技術を介した新しい循環モデルをご紹介します。
地域材の現状と課題
地域材とは、特定の地域で育ち、伐採・加工された木材を指します。
森林資源を地域内で活用するという考え方は以前から存在していましたが、実際の建築現場では、次のような課題が指摘されてきました。
・品質や寸法のばらつき
・大規模建築への供給対応
・設計・施工とのすり合わせの難しさ
これらは、地域材そのものの問題というよりも、現代建築のスケールやスピードと、森林資源のリズムとのズレによって生じています。
そのため地域材は、「理想としては良いが、現実的には使いづらい素材」と捉えられる場面も少なくありません。
突板活用による新たな循環モデル
こうした課題に対するひとつのアプローチが、次世代の突板SKINWOOD®の活用です。

突板は、木材を薄くスライスして、合板やMDFなどの基材に練り付けて使用する素材です。
中でも次世代の突板SKINWOOD®は、次のような特徴があります。
・小径木などの利用でしにくい木材でも美しく利用できる
・地域材や認証材などの活用の幅を広げる
・可能な限り再現性を高くしているため、補修工事を見据えることができる
・不燃大臣認定を一部取得しており、着色した状態でも提供可能
地域材をSKINWOOD®は、地域の特色を出しながら建物の内装で使いやすい材料をご提供できます。
これは、森林資源を無理なく建築に接続する、技術です。
建築事例:地元の木材でつくる公共空間

宮崎県の延岡市にある商業施設にて、宮崎県の諸塚村の木材を店内内装に多く採用していただいた事例です。
無垢材とSKINWOOD®の両方を活用していただきました。
また、諸塚村は森林認証も取得しているため、こちらの店舗では地域材+認証材をご提供できております。
建築士やデザイナー、施主にとっての地域材の価値
地域材を用いた建築は、関わる立場ごとに異なる価値をもたらします。
建築士・デザイナーにとっては
・素材選定に明確な根拠を持たせることができる
・設計コンセプトに「地域性」という新たな軸を加えられる
施主にとっては
・地域への貢献を、建築という形で表現できる
・建築にストーリー性や背景を持たせることができる
地域材は、建築に「語れる話題」を与える素材です。
これは、完成後に建築がどのように理解され、活用されるかにも影響します。
まとめ
“地域材を使う建築”は、未来を劇的に変える魔法ではありません。
しかし、建築と森林、都市と地域の関係を、少しずつ組み替えていく力を持っています。
次世代の突板SKINWOOD®は、地域材を現代建築のスケールに適応させ、無理のない循環の中で使われる可能性を広げています。
これからの建築に求められるのは、「使えるか・使えないか」ではなく、どう使えば、持続的な関係をつくれるかという視点なのかもしれません。
地域材を選ぶ建築は、その問いに対する、ひとつの実践です。