2026.02.17 / Topics
大分県の森林資源を建築デザインへ|地域材突板で実現する持続可能な空間
サステナブルな建築が求められる現代において、素材選びは単なる意匠の決定以上の意味を持つようになりました。日本有数の杉の産地である大分県の豊かな森林資源を、いかにして都市の建築デザインに落とし込むか。
その有力な解決策となるのが、地域材を高度な技術で加工した次世代突板SKINWOOD®の活用です。
1. 大分の森が育む、建築素材としての価値
大分県は、古くから『日田杉』をはじめとする良質な木材の産地として知られています。さらに、九州に2箇所しかない『FSC®認証』を取得した森林を擁する県でもあり、国際基準を満たす持続可能な森林資源を有しています。
日田杉は粘り強く、加工性に優れ、高い強度を誇ることから、昔から構造材として重宝されてきました。また、適切に手入れされた森林が多く、その美しい木目は内装の化粧材としても高く評価されています。
2. 次世代突板SKINWOOD®が「持続可能な空間」を実現する理由
大分県産材を活かす際、まず候補に挙がるのは無垢材です。これが、木材の利用量を多くするためには最適な選択肢です。
一方で、課題もあります。無垢材は木目が「板目」に限定されやすく、カジュアルで温かな印象が強くなるため、よりシャープな高級感を求める空間では意匠のコントロールが難しい側面があります。
また、不燃対応が必要な場合、薬剤注入による「白華(はっか)現象」のリスクが避けられません。
こうした「質感のバラつき」や「メンテナンス性」をクリアしつつ、大分の木を美しく使いこなすための選択肢が、次世代突板SKINWOOD®です。

通常は困難とされる14cm程度の小径木からでも、美しい柾目の突板を生産することが可能です。もともと整った木目を持っていることが多い大分県産材ですが、SKINWOOD®によって、より高い均一性と再現性を実現できます。無垢材では難しかった「大規模な壁面でも乱れのない、洗練された空間デザイン」を可能にします。
また、SKINWOOD®は薬剤を使用しない方法での一部不燃大臣認定を取得しています。そのため、施工後に白華現象が起きることはありません。(突板は、まれに基材となる合板や木材が持つ油分でシミが発生する場合があります。)
3. 森林資源の循環を、デザイナーの手から
大分県の森林資源を建築デザインに取り入れることは、現地の林業を支え、適切な「伐採と再造林」のサイクルを促すことにつながります。
大分県で地産地消することや、東京や大阪などの都市で大分にゆかりのあるクライアントへ大分県を応援しませんかという意味を込めてご提案すること、またFSC認証材があるため、外資系のクライアントへは世界的な基準で木材の持続可能な供給を担保している材料を
「地産地消」の思想を突板という形で実装することは、クライアントに対するサステナブル建築としての明確なストーリーとなり、企業の社会的責任(ESG)を具現化する強力なプレゼンテーションになります。
まとめ
大分県の森林資源には、まだ見ぬデザインの可能性が眠っています。その美しさを突板という技術で引き出し、都市の空間へ届けること。
私たちは、大分県産材の突板供給を通じて、デザイナーの皆様と共に、森と人が共生する新しい建築の未来を創造していきたいと考えています。